連載 りれー随筆・222
いつもにこにこ逆らわず従わず
江口 美智
1
1助産師(名古屋市)
pp.530-531
発行日 2003年6月1日
Published Date 2003/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100546
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このタイトル,どこかで聞いたような……。そう,「日本笑い学会」の昇幹男先生の言葉である。
もう少しで半世紀を過ぎようとしている私の信条に,なぜかぴたっときてしまった。そうそう,私は,そんなふうに生きていたいと思い続けてきたような,そしてこれからも……。
私の父は,事あるごとに「よかよか」って,笑う人だった。他界して20年近くになるが,九州男児であったはずの父の思い出は,に残る髭の感触と,親父ジョークである。
農業の傍ら,朝の4時から書道に勤いそしみ,とにかく読み書きがご飯より好きだった。しかし私は,勉強嫌い,努力も嫌,楽がよい。日常どんなに反抗しようが,父の返事は「よかよか」のひと言。信じてくれているのか,あきらめてしまっているのか。でも,おかげで私は自然にナンバーワンではないオンリーワンの道を歩く事になった。
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