ひとやすみ・23
台なしの権威
中川 国利
1
1仙台赤十字病院外科
pp.1092
発行日 2007年8月20日
Published Date 2007/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101801
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- 文献概要
社会においてはその道の権威でも,人は稀に権威者らしからぬ行動をすることがある.特に医療の世界では,家族さらには自分自身の病気になると専門医らしかぬ振る舞いをすることがある.
消化器内科の開業医から,ご子息の腹腔鏡下胆囊摘出術を依頼された.患者は父親の跡を継ぐべく,三浪中の受験生であった.手術終了後に,摘出した胆石を父親にあげたら,「やっぱり胆石発作でしたか……」.息子は「……」.昨年末から3回の発作があったが,父親は仮病と考えていたらしい.
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