焦点 臨床看護に関する研究の動向と今後の課題—20世紀から21世紀へ向けて
糖尿病患者のケアに関する研究の動向と今後の課題
河口 てる子
1
,
西片 久美子
2
,
高瀬 早苗
3
1日本赤十字看護大学
2日本赤十字北海道看護大学
3日本赤十字看護大学大学院博士課程
pp.213-220
発行日 2000年6月15日
Published Date 2000/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900558
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はじめに
生活習慣病の主要な1つである糖尿病の患者が急激に増加しつつある。厚生省の患者調査では,受療中の患者は1997年には218万人となり,また1998年(平成9年)に初めて実施された糖尿病実態調査では,「糖尿病が強く疑われる人(治療中の人を含む)は690万人」「糖尿病の可能性を否定できない人を合わせると1370万人」にもなるという。
日本での糖尿病は,インスリン注射が必須の子どもの頃に発病することの多いⅠ型糖尿病ではなく,遺伝と生活習慣に起因するⅡ型糖尿病がほとんどである。日本が高度経済成長をとげ,生活がより便利に豊かになって,欧米のように動物性蛋白質や脂質をたくさん摂り,しかもストレスの多い社会生活を営むようになったのが原因であるとされる。
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