焦点 臨床看護に関する研究の動向と今後の課題—20世紀から21世紀へ向けて
慢性病患者のケアに関する研究の動向と今後の課題
牛久保 美津子
1
,
数間 恵子
2
1東京医科歯科大学(医学部保健衛生学科)
2東京大学大学院医学系研究科(健康科学・看護学専攻)
pp.203-211
発行日 2000年6月15日
Published Date 2000/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900557
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はじめに
20世紀,特にその後半には,衛生管理の向上や生活習慣の欧米化とともに,めざましい医療知識・技術の進歩があった。これらにより,急性疾患から慢性疾患へと疾病構造の変化があり,医療制度の諸改革などがもたらされた激動の時代であった。
慢性病は先進諸国が共通してかかえる重要な問題である1-3)。社会のニーズにこたえるべく発展を重ねている看護は,この激動に準じて,慢性病看護においても着実な発展を積み重ねてきている。看護は,疾病により生じた人々の生活の不適応障害を支援の対象とする。したがって,病気をかかえての生活を余儀なくされる慢性病の人々の看護は,看護独自の役割が最も発揮できる領域である。
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