特集 エビデンスを臨床実践に活かす挑戦—JBIを契機とする臨床実践と研究者の協働
【3 エビデンスを現場に実装していくために】
—3-2 研究と現場との協働の試み—看護基礎教育におけるEBPの入門教育の必要性
木村 聡子
1
,
西村 直子
2
,
𡈽谷 僚太郎
3
1大手前大学国際看護学部看護学専攻精神看護学領域
2大手前大学国際看護学部看護学専攻小児看護学領域
3大手前大学国際看護学部看護学専攻成人看護学領域
pp.243-245
発行日 2021年6月15日
Published Date 2021/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201881
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看護職にとってのEBP
臨床において「エビデンスに基づく実践(EBP:evidence-based practice)」といわれるとき,「実践の根拠や理由」というニュアンスで用いられることが多いのではないだろうか?しかし,エビデンスといわれるものすべてが,同等に有用で信頼のできるものとは限らない。それはJBIのシステマティックレビューでは,既知のこととして取り組まれている。国際看護師協会(ICN)(公益社団法人日本看護協会訳,2012)ではEBPの定義として,「臨床意思決定に向けた問題解決手法で,ケアリングという文脈の中で,最善かつ最新のエビデンスおよび臨床上の専門知識とアセスメント,患者が好む価値観の追求を包含するアプローチ」を採用している。つまり,単にエビデンスというだけではなく,選択された「最善かつ最新」のエビデンスである。また,日本看護協会『看護者の倫理綱領』の行動指針においても,看護者は常に最新の研究や知見を活用しながら,ヘルスケアサービスを向上させていく責務を負うことが明示されている(公益社団法人日本看護協会,2021)。
このように,看護職は何十年も前からEBPを実践するための能力および行動力が求められてきた。しかしながらいまなお,臨床においてEBPの実践が十分ではないといわれることも多い。
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