特集 EBPと看護教育
EBPとは何か―看護教育はEBPそのものである
山川 みやえ
1
1大阪大学大学院医学系研究科老年看護学
pp.154-159
発行日 2023年4月25日
Published Date 2023/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663202066
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EBPに関する誤ったイメージ:EBPは研究用語ではない
私は老年看護学教室に所属しており、認知症ケアを専門としている。もう20年近く認知症疾患を身近に仕事をしているが、つくづく認知症とは不思議な病気だと思う。その理由は、「認知症」のことを知らない人はまずいないが、大半の人が「認知症」を正確に説明できないからだ。正確に知られていないがゆえに、「記憶障害がある」「ひどくなると家を飛び出して帰ってこれない」「大声を出して迷惑」などとイメージで理解されてしまい、認知症者へのネガティブな感情をもつ者が多い。そのため、近年の認知症ケアではその偏見を取り除き、正しく理解してもらうことが先決であった。そのための啓発活動があらゆるところで実施されてきた。その甲斐もあり、徐々に「認知症」を理解して適切に接してくれる人が増えた。
まったく同じことがエビデンスに基づいた実践(Evidence Based Practice:EBP)にも当てはまる。
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