特集 エビデンスを臨床実践に活かす挑戦—JBIを契機とする臨床実践と研究者の協働
【2 EBPに向けたシステマティックレビューの重要性】
—2-1—なぜシステマティックレビューが重要なのか
山川 みやえ
1
,
𡈽谷 僚太郎
2
,
木村 聡子
3
,
西村 直子
4
,
植木 慎悟
5
1大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻老年看護学研究室
2大手前大学国際看護学部看護学専攻成人看護学領域
3大手前大学国際看護学部看護学専攻精神看護学領域
4大手前大学国際看護学部看護学専攻小児看護学領域
5九州大学大学院医学研究院保健学部門
pp.186-197
発行日 2021年6月15日
Published Date 2021/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201873
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システマティックレビューの基本的な手順を振り返る
(山川みやえ)
システマティックレビュー(Systematic Review:以下SR)の方法論については,海外の学術雑誌や書籍で簡単に手に入る。特にメタ分析やメタ統合といったデータを統合する方法論については,日々進化しているため,本稿では細かい方法論には言及しない。ここでは,SRの基本的な手順を復習のように紹介し,この後に続くSRをめぐる課題やSRについて学び,EBPの普及と発展におけるSRの重要性を読者と共有したい。
SRは,あるテーマにおける多くの関連研究を厳密かつ透明性のある方法で,包括的かつ偏り(以下バイアス)なく1つの文書にまとめ上げ,実践への示唆や今後の研究の方向性を明示するものである。そのため,初学者にとってSRはそのテーマの最新の情報がわかるものであり,専門家にとっては,そのテーマの中で自分がどのように仕事をしていけばよいのかという道標になるものである。
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