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海外論文
看護実践と看護教育における倫理学
Ethics in Nursing Practice and Education
Jeanne Quint Benoliel
1
,
阿保 順子
2
1Washington大学看護学部(Community Health Care Systems)
2弘前大学医療技術短期大学部
pp.391-398
発行日 1985年7月15日
Published Date 1985/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200846
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あらゆる看護教育計画の中核に,倫理的な探求と分析がなければならない。
社会変化を論ずる人ならば,倫理学が社会一般の,あるいは人類に貢献する多くの専門家たちの重要な話題になってきたことに,驚きはしない。20世紀の科学と技術は,食物生産・商品製造・交通手段・伝達技術を含む人間生活の多くの面を変革してきた。これらの変化は,多くの人々の生活水準を改善しただけでなく,次第に家族・教会・国家の質に重要な転換を生じさせた。こういった変化のすべてが,健康とヘルスケアに新たな問題を投げかけ,健康・病気・医学的処置に対する新たな期待を生じさせた。このことは,看護,そして必然的に看護教育に,特別な義務をもたらす。
ヘルスケアにおける,第2次世界大戦後の生物医学的な技術の急速な発展と応用は,深刻なモラルの問題を生み出した。それらは,たとえば,生命を延長させる途方もない手段の使用や,10代の人々に対する避妊具や堕胎の適用の可否,また,薬物や外科的処置によって他人の行動をコントロールしうる可能性などから派生してくる諸問題である。同時に,人権運動が,個人や集団の要求を増大させてきた。彼らの多くは,生活に影響する極めて重大な決定を知らされたり,それにかかわったりすることが少ないのと同様,技術の成果や社会資源の公平な分配にあずかることの少ない層の人々である。
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