特集 倫理的意思決定能力を育む
看護基礎教育における看護倫理の教育―基礎看護学の立場から
志自岐 康子
1
1東京都立保健科学大学保健科学部看護学科
pp.267-271
発行日 2000年4月25日
Published Date 2000/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902238
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
倫理教育の必要性
一般に,ある職業が専門職として認められるためには,①知識体系,②公共の福祉,③自律的実践,④その職業独自の倫理綱領,などの要件を満たしていなければならないとされる1).倫理綱領をもつことが,専門職の条件の1つにあげられているのは,いかに優れた知識・技術をもっていても,それをどのように使うかが重要だからである.
倫理綱領は,その職業集団が自らの職業に対する行動規範を示したものである.人々の生命や健康にかかわる仕事に従事する看護職者は,「看護婦の倫理規定」(日本看護協会,1988)2)において,看護の対象である人間の生命や尊厳,権利を擁護することを,看護を行う際の大前提として提示している.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.