特集 看護における倫理教育
看護倫理をどのように教えるか?―看護倫理教育への示唆
荻野 雅
1
1日本赤十字看護大学
pp.17-20
発行日 1996年1月25日
Published Date 1996/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901295
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看護倫理教育の変遷
倫理という言葉が看護のテキストに表れたのは1903年で1),当時は看護婦の親切心,誠実さが強調され,特に医師に対する従順さ,施設に対する忠誠が看護婦の徳とされていたようである.
その後,看護倫理教育は,特に話題に上ることもなく,それに関する研究もほとんどなされていなかった.1970年代から80年代にかけて,経済学や医学での専門家養成のプログラムの中で倫理教育が出現し始めた.それに伴い,看護でも1970年代中盤から看護カリキュラムに倫理的な内容を取り入れようという動きが盛んになった1).そこでは,医師への従順さよりも患者への忠実さが強調されてきた.
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