連載 日本の乳信仰 総論 おっぱい神社・おっぱい寺・乳銀杏・乳地蔵・乳神様を記録する・1【新連載】
乳信仰の定義と分布
奥 起久子
1,2
,
野口 智子
1,3
,
地本 淳子
1,4
,
内岡 恵
1,5
,
瀬川 雅史
1,6
1おっぱい神社等を記録するワーキンググループ
2東京北医療センター小児科
3のぐち母乳育児相談室
4札幌医科大学付属病院 産科周産期科
5うち助産院まんまるーむ
6のえる小児科
pp.104-107
発行日 2022年2月25日
Published Date 2022/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665201976
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新連載にあたって
「母乳が出るように」という祈願は,かつて日本各地で行われていた。祈願の場所や対象は社寺に限らず,多くの乳イチョウ,乳地蔵,乳神さまなどが各地に点在していたようである。しかし,それら多くの乳信仰の伝承は,近年急速に失われつつあるという。そこで2019年3月に,情報収集と発信を行う目的で「おっぱい神社等を記録するワーキンググループ」を立ち上げた。その成果の一部を,昨年1年間本誌で連載した。今号からは視点を全体に広げ,6回に分けて「総論」として報告する。
なお参照した授乳習俗に関する文献1-3)には,例えば初乳を飲ませないことや,農作業に支障をきたすので授乳は日中は3回が限度といった授乳回数の制限など,医学的見地から適切ではないと思われる情報もあるが,本稿では乳信仰以外の情報には触れない。
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