連載 日本の乳信仰をめぐる旅・6
おっぱい神社・おっぱい寺・乳銀杏・乳地蔵・乳神様たち
奥 起久子
1
,
野口 智子
1
,
地本 淳子
1
,
内岡 恵
1
,
瀬川 雅史
1
1おっぱい神社等を記録するワーキンググループ
pp.400-401
発行日 2021年6月25日
Published Date 2021/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665201803
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目名のイチョウ
青森県下北郡東通村大字目名字湯殿沢
樹高約12m,目通り幹周約4m,推定樹齢300年以上とされ,湯殿沢の林の中の,昔お寺があったという場所の近くにある。チチがあることから,母乳を得たい人は米(おさご*1)を小さな袋に入れ,木にぶら下げて乳の出を祈願したという。古い資料にはイチョウは2本とあるが,現在1本しか確認できず,お寺の痕跡もなく,墓地のみが残っている。少し離れた場所の別の古木の根元からチョロチョロ音を立てて清水が湧き出ており,直径1mくらいの水たまりになっている。昔お寺があった頃は,行事の際にこの水を利用していたという。環境庁の湧水サイトに「ゆどの」の湧水としてリストアップされ,乳信仰の記載もある。
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