連載 日本の乳信仰をめぐる旅・9
おっぱい神社・おっぱい寺・乳銀杏・乳地蔵・乳神様たち
奥 起久子
1
,
野口 智子
1
,
地本 淳子
1
,
内岡 恵
1
,
瀬川 雅史
1
1おっぱい神社等を記録するワーキンググループ
pp.644-645
発行日 2021年9月25日
Published Date 2021/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665201870
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寺久保の大銀杏
岩手県二戸市下斗米字寺久保130
樹高25m,目通り幹周7.7m,推定樹齢500年以上で,市指定天然記念物。周囲は開けた農地であり,遠くからもひときわ大きな樹としてよく見える。「寺久保の逆さ銀杏」とも,寺院の名前をとって「聖福院の銀杏」とも言われ,現地案内板や資料に乳信仰についての記載がある。「乳イチョウ」として昔から地域の人たちに大切にされ,チチの先から出る樹液を飲むと母乳の出がよくなると言われて,参詣する人が絶えなかったという。
このイチョウの所有者である「聖福院」は曹洞宗の寺院で,前身となる小庵は延文5(1360)年に創建。イチョウは小庵だった昔,住職が諸国巡礼の記念としてここに植えたと伝わる。聖福院はのち火災のため移転して再建され,今はイチョウから700mほど離れた場所にある。
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