連載 日本の乳信仰をめぐる旅・11
おっぱい神社・おっぱい寺・乳銀杏・乳地蔵・乳神様たち
奥 起久子
1
,
野口 智子
1
,
地本 淳子
1
,
内岡 恵
1
,
瀬川 雅史
1
1おっぱい神社等を記録するワーキンググループ
pp.810-811
発行日 2021年11月25日
Published Date 2021/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665201915
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太田八幡宮の大銀杏
岩手県和賀郡西和賀町沢内太田3地割34
樹高30m,目通り幹周9.0m,推定樹齢300年以上で,町指定天然記念物。重覚院という修験者が寛治元(1087)年に創建したと伝えられる太田八幡宮の境内に立つ。チチが下がっており,母乳が出るよう願を掛けると願いが叶うと現地案内板や資料に記載されており,イチョウの枝には願掛けのために乳房をかたどった紅白の袋状のものが取り付けられている。
イチョウの由来には,重覚院が神社創立の記念に植えた,この地を訪れた弘法大師が地面に挿した杖が成長した,また秋田から山越えしてきた八幡太郎義家が持ってきた杖を挿した……など,いろいろな伝承があり,「杖銀杏」とも呼ばれる。このイチョウが落葉して21日目に根雪が降ると言われていて,地域の人々の生活に密着した木であった。
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