連載 日本の乳信仰をめぐる旅・4
おっぱい神社・おっぱい寺・乳銀杏・乳地蔵・乳神様たち
奥 起久子
1
,
野口 智子
1
,
地本 淳子
1
,
内岡 恵
1
,
瀬川 雅史
1
1おっぱい神社等を記録するワーキンググループ
pp.236-237
発行日 2021年4月25日
Published Date 2021/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665201762
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北金ヶ沢のイチョウ 青森県西津軽郡深浦町塩見形356
樹高31m(40mとも),目通り幹周*122m,推定樹齢は1000年以上といわれ,国指定天然記念物。文部科学省天然記念物サイトに,「垂乳根の公孫樹」と呼ばれて豊富な母乳の出を願う女性の信仰対象となり,秋田県や北海道からも女性が願掛けに訪れ,お神酒とお米を添えて祈る風習が昭和50年代まで続いていたと記載されている。またチチ*2に麻糸を巻きつけて祈ったという情報もある(浅井治海)。
環境省が2001年に実施した巨樹・巨木調査では,イチョウの中で全国1位の大きさと認定。樹木全体としても国内で4番目の大きさとのことである。多数のチチが垂れ下がって地面に着いたものは幹の一部となっており,1本の木でありながらまるで森のように見える姿は圧倒的である。
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