連載 日本の乳信仰をめぐる旅・7
おっぱい神社・おっぱい寺・乳銀杏・乳地蔵・乳神様たち
奥 起久子
1
,
野口 智子
1
,
地本 淳子
1
,
内岡 恵
1
,
瀬川 雅史
1
1おっぱい神社等を記録するワーキンググループ
pp.486-487
発行日 2021年7月25日
Published Date 2021/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665201830
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新舘神社のイチョウ
青森県上北郡東北町大字新舘字籠2-10
樹高約30m,目通り幹周9.2m,推定樹齢800 年で,町指定天然記念物。チチが大きく垂れ下がり「子安イチョウ」「乳もらいの木」として母乳を出すために信仰されたと東北町教育委員会が設置した現地案内板にある。新舘神社に属すと記載されているが境内にはなく,少し離れた道路の脇,個人の所有地に立つ。「町の木」にも指定されている。
新舘神社は正治元(1199)年に南部藩の祖である南部光行の三男と言われる三郎朝清が七戸八幡宮を創建したのが最初と伝えられている。以後歴代七戸藩主から,また江戸時代には盛岡南部藩主から崇敬と保護を受け,多くの古文書や奉納された武具が保存されている。また流やぶさめ鏑馬や神楽舞が伝わるなど,古い歴史がある。東北地方では珍しい流鏑馬は寛文5(1665)年から始まり,昭和41(1966)年まで行われていたそうだが,その後残念ながら途絶えている。
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