連載 日本の乳信仰をめぐる旅・10
おっぱい神社・おっぱい寺・乳銀杏・乳地蔵・乳神様たち
奥 起久子
1
,
野口 智子
1
,
地本 淳子
1
,
内岡 恵
1
,
瀬川 雅史
1
1おっぱい神社等を記録するワーキンググループ
pp.726-727
発行日 2021年10月25日
Published Date 2021/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665201892
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長泉寺の大公孫樹
岩手県久慈市門前1-111
樹高25m,目通り幹周14.7m,推定樹齢1100年の老大木で,国指定天然記念物。チチが非常に多く,なんと百数十本もあるとのこと。これを拝むと乳房の病が治り,母乳の出がよくなるという伝承がある,と岩手県観光協会のサイトにある。
長泉寺は寛永3(1626)年,瑞雲寺6世本室寿宗を開山とする曹洞宗の寺院で,山号が銀杏山である。イチョウの精霊が本室寿宗の夢枕に現れ,そのお告げにあった樹を探し当ててそこにお寺を移築したという故事がお寺の案内板にある。平成3(1991)年に猛威を振るったリンゴ台風と言われる台風19号の際に主幹の一部が折れたが,折れた枝から彫られた仏像が本堂に安置されているとのことで,昔からとても大切にされてきたイチョウである。
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