連載 宝物,教えてください・67
卒業記念のトラウベと桃缶
吉沢 豊予子
1,2
1東北大学大学院医学系研究科
2ウィメンズヘルス・周産期看護学分野
pp.643
発行日 2021年9月25日
Published Date 2021/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665201869
- 有料閲覧
- 文献概要
私の宝物は,東北大学医療技術短期大学部助産学特別専攻第1期生として,修了の記念にいただいた「トラウベ」と「岡林妊娠歴」(通称桃缶)である。桃缶には修了生の名前が刻んである。専攻科の学生である私たちもいただけたことは本当にうれしかった。
私は,母性看護学実習で見た助産婦が腰にトラウベを引っかけて颯爽と歩き,一発で児心音を聞きあて「12,13,12良好」と言う姿に憧れて助産婦を志した。といっても,自分が助産婦として働き始めた時には,児心音は携帯型ドップラーが主流となり,分娩室では分娩監視装置が作動していたため,残念ながら,達人助産婦のようにトラウベ1本で胎児の状態を聞き分ける技は身に付けられなかった。
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.