連載 宝物,教えてください・65
天真爛漫な子どもたちの笑顔
鈴井 江三子
1
1大手前大学 国際看護学部
pp.485
発行日 2021年7月25日
Published Date 2021/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665201829
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私の宝物は,娘と息子の天真爛漫な笑顔です。私が結婚した頃は家父長制度の嫁役割が色濃い時代であり,田舎に嫁いだ私は結婚後,改めて自分の生と性の選択は自分のものだと確信し,娘が幼い時に一人親で育てることを決めました。娘は私が勤務助産師として夜中の呼び出しもある中で大きくなり,息子は大学教員として研究と教育に邁進している時に大きくなりました。今の時代なら児童虐待で通報されてもおかしくない状況でしたが,それでも子どもたちは,不器用に生きている私を思いやり,いつも優しく天真爛漫な笑顔でそばにいてくれました。今は二人とも医師になり,女性や子どもを救いたいと日々医療に携わっています。仕事柄,なかなか会える機会は少ないですが,研究室に所狭しと飾っている写真の笑顔に癒されて,今日も幸せな気持ちで仕事をさせてもらっています。この,子どもたちの笑顔が何よりの宝物です。
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