連載 多様性があたりまえの未来へ 国内最大規模のLGBTs調査結果から・4
LGBTsを取り囲む職場と社会の環境
日高 庸晴
1
1宝塚大学看護学部
pp.544-548
発行日 2021年7月25日
Published Date 2021/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665201843
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企業における取り組み
LGBTsを取り巻く企業の取り組みはどのようになっているのであろうか。
東京2020オリンピックは「多様性と調和」を掲げて開催準備がされてきた。それに呼応して,主に大企業が,ダイバーシティの推進に取り組むようになってきている。就業規則やハラスメント規程の見直しをすることで,性的指向や性自認に起因する差別を禁止したり,福利厚生にあたっては異性愛カップルと同様に同性カップルに対しても制度の利用を認めたり,同性パートナーと子どもに対する育児・介護各種手当を支給したりするようになっている。また,トランスジェンダーには,健康診断,服装,通称などにおける性別の扱いを本人が希望する性にすることや,性別適合手術のための休暇制度を設けたり,男女の区別がない「オールジェンダートイレ」「誰でもトイレ」の設置をしたりするなどそれぞれの企業による取り組みが進みつつある。
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