連載 宝物,教えてください・62
幸せを想起させる母の描いた絵画
大坪 三保子
1
1たらちね助産院
pp.235
発行日 2021年4月25日
Published Date 2021/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665201761
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2006年の開院当初から助産院に飾っているこの絵は,わたしが生まれ育った家とその周辺の風景を描いたものです。この川辺を,自宅から7キロある中学,高校に,雨でも雪でも自転車で通っていました。助産師になろうと思ったのは,祖母が助産婦だった話を,この絵を描いた母に聞かされていたからかもしれません。
母の実家に行った際に,祖母の助産婦免許や手帳を見たこともありました。祖母は母が中学生の時に亡くなったそうですが,六女の母の面倒はお姉さんの方がよく見ていたらしく,助産婦として飛び回っていたそうです。手帳にお産される女性の名前が書かれているところを見ると,昼夜なく呼ばれて忙しかったのかもしれません。母曰く,祖母は気丈な人だったそうです。
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