連載 筆から想いは広がって・12【最終回】
動きだす,命と好奇心
乾 千恵
pp.274-275
発行日 2008年3月25日
Published Date 2008/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101193
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蟲は,虫の古い形の字だ。昆虫の総称だが,鳥,動物,魚をひっくるめた生き物すべてを表す字でもある。「これ,うごめくって読むんですか」と聞かれたことがある。確かに命が寄り集まって,もぞもぞ動いているようだ。「生きてるよ!」と言わんばかりの「もぞもぞ」を感じるこの字が,私は好きだ。
ごく身近にいる「もぞもぞ」といえば,やはり昆虫だろう。よく小さい子が,ダンゴムシやテントウムシ,カマキリなどを「見て~!」とお母さんのところに持ってきたりする。顔も声も,「こんな面白いのがいたよ。自分で見つけて捕まえたの!」という「発見!」の喜びでいっぱいだ。
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