連載 バルナバクリニック発 ぶつぶつ通信・8
医療がもたらす悲しみ
冨田 江里子
1
1St. Barnabas Maternity Clinic
pp.1020-1021
発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100863
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大きく入った「傷跡」
それまで息を殺しながら歩いていたエラが「生まれる!」とベッドに上がった。エラは21歳。2年前に初めての赤ちゃんを病院で出産している。エラは自ら足を開いた。
それまで内診していなかった私は,エラの会陰の状況に言葉を失っていた。彼女の会陰は左切開が大きく入れられ,開いたままで瘢痕化していた。大きく開いたままの会陰は伸びる必要も無く,赤ちゃんはするりと生まれた。
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