活動報告
住民の健康づくりのモチベーションを高め,主体性を引き出す健康教育の手法—7つの議題で行うグループ・ディスカッション「Kurimoriメソッド」
栗盛 須雅子
1,2
,
久保田 由紀
3
,
田渕 智之
4
,
冨田 敦也
5
,
須能 恵子
6
,
小澤 敦子
7
,
大田 仁史
2,8
1聖徳大学看護学部看護学科
2茨城県立健康プラザ
3つくば市保健福祉部桜保健センター保健係
4つくば市健康増進施設いきいきプラザ
5茨城県総合健診協会健診情報部情報管理課
6常盤大学人間科学部健康栄養学科
7茨城県土浦保健所健康増進課
8茨城県総合健診協会
pp.774-780
発行日 2019年9月10日
Published Date 2019/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201270
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
医療・介護・介護予防・生活支援等が包括的に確保される地域包括ケアシステムの構築・深化が求められる中で,住民の主体的な支え合いを育み,暮らしに安心感と生きがいを生み出す「我が事」・「丸ごと」の地域づくり,「地域共生社会」の実現に向けた改革が行われている1)。行政の健康づくりに関わるスタッフは,健康教育を通して,住民に情報を提供して対話し,関係機関とともに支援し,住民が自信を持って楽しく主体的・継続的に健康づくりに取り組めるよう環境を整備する必要がある2)。
このような中,茨城県立健康プラザでは,2017(平成29)年6月,県,県内保健所,県内市町村保健センターの健康づくり担当者を対象に,住民自らが健康問題を抽出,課題を設定し,健康づくりの企画を行い,主体的な活動に移すことができる健康教育の手法の説明会として,「主体的な活動につながる健康教育への支援」を開催した。この手法とは,アクティブラーニングを取り入れた「7つの議題で行うグループ・ディスカッション」である。
その後,2017年11〜12月に,つくば市内の74の市民団体を対象に,この手法を用いて自主活動化を勧める健康教育を,地区別に計7回実施した3)。
本稿では,「7つの議題で行うグループ・ディスカッション」の手法について説明するとともに,その手法を用いたつくば市の事例と,手法の応用について紹介する。
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.