定点観測 高知県・西土佐村から
住民全員が参加できる健康づくりとは
宮原 伸二
1
Shinji MIYAHARA
1
1西土佐村国保江川崎診療所
pp.865
発行日 1985年10月1日
Published Date 1985/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208693
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健康づくりは健康増進から予防,治療,リハビリまで,そのすべてが日々よりよい方向に向かうように努力することにより本質的な運動となろう.しかも,それらの運動が住民の生活の場で行われ,住民の自主性と主体性が明白になった上で,大多数の住民が参加して行われているならば言うことはない.
ところが現実は,それぞれの立場で健康づくりのイメージが異なり,体力づくりは体力づくり,検診は検診というように切り売りされ,ひとつひとつの活動が総体的な健康づくり運動の中に的確に位置づけられていない.その上,健康づくり運動が一部の人のものになっている傾向がある.健康に関して熱心な人が,ジョギングをしたり,人間ドックに入ったり,自然食に凝ったり,名医を放浪したり,特殊な病院がそのような人たちを対象に特殊な治療をしたり…….どうも一般住民のものになっていないような気がする.
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