連載 時代が求める!保健師記録の仕組みづくり 記録を生かした人材育成と情報開示の捉え方・3
保健師記録の情報開示の基本—開示請求をどのように捉えるか
菅原 京子
1,2
,
栁澤 尚代
1,3
,
清水 洋子
1,4
,
吉本 照子
1,5
1公衆衛生看護記録研究会
2山形県立保健医療大学
3弘前学院大学
4東京女子医科大学
5元 千葉大学
pp.248-256
発行日 2021年3月10日
Published Date 2021/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201618
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情報開示への疑問・不安
筆者ら公衆衛生看護記録研究会は,保健師記録の情報開示について,本誌の2017(平成29)年10月号開始連載「時代が求める!—保健師記録の仕組みづくり」の中で,第4・5回の2回にわたり,「地域包括ケア時代における保健師記録の『情報開示』と保健師活動」で解説した1,2)。そこでは保健師記録を求められる/提供する場面に関し,①情報公開制度による開示請求,②個人情報保護制度による開示請求,③事件捜査・裁判,児童虐待検証からの求め・提供,④民事事件に伴う求め・提供,⑤地域ケア会議や関係機関とのカンファレンスに伴う求め・提供にそれぞれ類型化して概説した1)。また,個人情報保護制度による開示請求の不服申し立てを扱う個人情報保護審査会の答申の事例を通して,保健師活動と情報開示について検討した2)。
以前の連載では「保健師として『情報開示』にどのように向き合うべきか」との問題提起を行い,「開示請求や不服申立てを過剰に意識しないこと」「質保証と標準化がなされた保健師記録を目指すことが重要」2)という一般論を提示した上で,第5回に「こんなときどうすればいい? 職場の疑問・不安に答える保健師記録Q&A」と題して,「配偶者からの相談記録の開示請求」「児童虐待事例における親からの開示請求」「アセスメントの記載と開示請求」等の具体例についても論じた3)。
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