連載 時代が求める!保健師記録の仕組みづくり 記録を生かした人材育成と情報開示の捉え方・6【最終回】
保健師記録の質改善に向けた研修プログラムの考え方
栁澤 尚代
1,2
,
吉本 照子
1,3
,
清水 洋子
1,4
,
菅原 京子
1,5
1公衆衛生看護記録研究会
2弘前学院大学
3元 千葉大学
4東京女子医科大学
5山形県立保健医療大学
pp.696-703
発行日 2021年8月10日
Published Date 2021/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201720
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あなたは,記録の本質をどのように捉えていますか?
筆者ら公衆衛生看護記録研究会は,「誰もが質の高い記録を書くには,どうしたらよいか」の問いの答えを求めて,さまざまな活動を模索し続けてきた。現在,複数の自治体からの協力要請を受け,研究会として共に考えているが,それぞれの自治体の動きや反応は多様である。研修会をきっかけに記録の実態に向き合い,課題を見つけ,自分たちで解決・改善に動き出している自治体がある一方で,自治体内で誰をリーダーに,どのようなことを改善するのかについての意見がまとまらず,行動計画を立てることが難しい自治体もある。また,教育プログラムを提案しても,スムーズにいく自治体もあれば,そうではなく難しい自治体もある。
本稿では,記録の改善についての普遍的な取り組みとは何かについて,考えるきっかけを提案したいと願うと同時に,今後の記録の質改善に向けた考え方を示したい。以降に紹介する地域の実践を例に,記録の意味や記録を通して個(被支援者)のことを伝える難しさを考えるなどし,記録の本質への問題認識を高めることを大切にしたい。
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