連載 時代が求める! 保健師記録の仕組みづくり・1【新連載】
地域包括ケアの質を高める保健師記録の仕組みづくり—保健師記録をめぐる現状と連載のねらい
栁澤 尚代
1
,
菅原 京子
2
,
清水 洋子
3
,
吉本 照子
4
1弘前学院大学
2山形県立保健医療大学
3東京女子医科大学
4千葉大学
pp.856-863
発行日 2017年10月10日
Published Date 2017/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200793
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★連載が目指すもの
■保健師記録との関わりは18年間
著者が保健師記録と出会ったのは,医薬品による健康被害,薬害エイズ問題により診療情報への関心が高まり,診療情報開示に関する社会の動きが活発化した1990年代後半である。また,日本看護協会が医療審議会で「法律に看護記録を含む診療記録を明記し,患者の自己決定の権利を保障する必要がある」との意見を表明1)するなど,看護記録改善の動きが診療録開示の動きとともに大きなうねりを作り始めた時代でもある。
長年,問題として認識されながらも放置されてきた記録にスポットを当てようと,関東周辺で働く保健師と研究者による学習会の発足などの動きも起きていた。当初は,臨床看護記録と同様の書式を活用する方法を試行したものの,試行する中で見えてきたのが「保健師活動の特性を考慮した記録様式でなければ情報整理ができない」との実感であった。その後,2003(平成15)年に『保健師ジャーナル』が保健師記録の特集2)を組んだことで,保健師の中で記録への関心が高まり,2004(平成16)年の書籍化(『こう書けば分かる!保健師記録』医学書院)1)により,各地で記録研修会の開催や改善への取り組みが本格化した。
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