連載 保健師と精神科医との往復書簡・4
「ひきこもり」はいけないことだと思いますか?
ひらす けい
,
S
pp.660-665
発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100750
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がん患者として生きる保健師と,地域精神保健活動への助言者である精神科医との間で交わされる往復書簡。援助者としてと同時に患者として,さざなみのように揺れる援助の姿に本物を求める保健師と,援助の検証を深める精神科医との対話から,多くの教訓が引き出されていきます。
S先生
拝啓
欧州の森には,さまざまな妖精が住むといいます。国によって語り継がれる妖精の姿は,ときに魔法使いであったり,妖怪であったり,人間を襲う怖い存在でもあるようですが,私はケルトの民話から生まれた小人のフェアリーテイルに興味をそそられます。彼らはいたずら好きで,陽気なヒョウキン者でもあります。
森の静かさに多少退屈を覚えると,そんな愉快な妖精たちに出会ってみたいなと思わずにいられません。それは,幼い頃,兄が帰ってくるまでの一人の時間を,海外の童話で楽しんでいた遠い昔の私の焼き直しでもあるのでしょう。
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