連載 保健師と精神科医との往復書簡・3
先生は「世話焼きおばさん」をどう思いますか?
ひらす けい
,
S
pp.548-553
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100733
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がん患者として生きる保健師と,地域精神保健活動への助言者である精神科医との間で交わされる往復書簡。援助者としてと同時に患者として,さざなみのように揺れる援助の姿に本物を求める保健師と,援助の検証を深める精神科医との対話から,多くの教訓が引き出されていきます。
S先生
前略ごめんくださいませ。
森での生活に戻ってから,しばらくの時間がたちました。
森の世界は,地域保健という不思議の国で起こるビビッドな動きや心の底からの感動を呼ぶ出来事とは無縁の,清閑な空気で満たされた空間です。しかし,朝夕の鳥の声,木々の揺らぎやかすかな囁き,何度となく訪れる木漏れ日に,命の鼓動を感じ,そうした自然が与える恵みに心を洗われる日々も悪くはないな,と思いはじめています。
身体は一時の奇跡的な回復から徐々に下降しはじめていますが,知りたいこと・語りたいことにますます精神が賦活されていくようにも思う今日この頃です。
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