連載 「健康格差社会」への処方箋・3
仕事と健康―長時間労働・不安定雇用・成果主義と職業性ストレス
近藤 克則
1
1日本福祉大学社会福祉学部
pp.1054-1059
発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100429
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多くの人が,1日の3分の1(8時間)は働いている。そのなかでストレスを感じる人が増えている。厚生労働省(旧労働省)の調査によれば,仕事や職業生活で「強い不安,悩み,ストレスを感じている労働者」の割合は,1982年の50.6%から1997年には,62.8%に増え1),関連疾患も増えている。社会経済生産性本部の「産業人メンタルヘルス白書」(2004年)によれば,上場企業の人事・労務担当者を対象にした調査で,ここ3年間に「心の病」が減少はわずか1.9%,横ばい25%に対し,増加傾向が58.2%にものぼる。「心の病」だけではない。話題のメタボリック・シンドロームも,職業性ストレスを感じている者ほど多い2)。
今回は,仕事と健康の関連を取り上げる。
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