連載 働く人と健康―精神科臨床医の立場から・1【新連載】
成果主義とメンタルへルス
天笠 崇
1,2
1メンタルクリニックみさと
2京都大学医学部大学院社会健康医学系専攻健康情報学
pp.51-55
発行日 2009年1月15日
Published Date 2009/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101481
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「製額賞与」のことを併説しなければ次の節で諒解がゆきかねる.これはつまり日給でありながらかつ集団受負の一部に関与せしめて,自からその業を勢出さねばならなくなるよう仕向けたものだ.要するに私が少々なまけても日給は貰えるが,製額をあげぬと賞与が貰えなく,その製額賞与と日給を合わせて,やっとどうにか賃金らしく盛り立ててある.換言すれば紡績工場の日給制度は,その日給額が「本日給」と「製額賞与」に分かれているのだ(「女工哀史」1)126-7頁).
紡織工場のごとく喧噪な処で,少々体が悪くとも我慢して長時間働かねばならぬことは,実にこの精神病と大なる関係があるように思われる(「女工哀史」1)369頁).
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