連載 ゲイ男性の抱える苦悩・【最終回】
HIV予防対策の事例と対人援助職への提言
日高 庸晴
1
1京都大学大学院医学研究科
pp.1060-1063
発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100430
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ゲイ・バイセクシュアル男性が現代社会のなかで生きていくうえで,マイノリティであるがゆえに直面する社会的な差別や偏見,それに起因する心理的ストレスをはじめとする“生きづらさ”について,これまでの連載で報告してきた。また,わが国においてHIV感染が同集団を中心に急激に拡大していることや,それに精神的健康状態の悪さが関与していることを示唆する実証データについてもお伝えした。これらの状況を鑑み,保健サービスを提供する側の保健師はHIV予防対策の最前線にいること,またその重要な役割を担うために兼ね備えておく必要がある知識や心構えについても本連載で紹介した。
本稿ではゲイ・バイセクシュアル男性の健康問題のなかで最も緊急性が高い問題の1つであるHIV予防対策について,日米の事例を紹介するとともに,対人援助に関わる専門職がゲイ・バイセクシュアル男性の支援に,より効果的に関わるための提言を記する。
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