連載 新・健康格差社会 どこまで解明・対策は進んだか・5
仕事と健康—職業性ストレスから健康経営まで
近藤 克則
1,2
1千葉大学予防医学センター社会予防医学研究部門
2国立長寿医療研究センター老年学・社会科学研究センター老年学評価研究部
pp.768-772
発行日 2021年9月10日
Published Date 2021/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201735
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多くの人が,1日の3分の1(8時間)は働いている。パワーハラスメントや不安定な雇用,長時間労働などの,職業に起因するストレスにさらされ続ければ不健康になる。同じ人でも,勤め先がいわゆる「ブラック企業」(長時間の残業やパワーハラスメントなどが横行する企業)か「ホワイト企業」かで,健康もパフォーマンスも変わる。今回は,仕事と健康を取り上げ,どのような健康の社会的決定要因があるのかを探ってみよう。
仕事と健康との関係を考える時,いくつかのレベルが想定できる。毎日のように顔を合わせる同僚や上司・部下からなる「職場レベル」,雇用形態や人事制度などの「法人や企業レベル」,職業階層や労働法制など「社会・国レベル」である。
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