特集1 「ひきこもり」ケースには,こう対応する! 保健師ができる支援について考える
―「ひきこもり」から脱出させるための支援技術➂―社会資源の種類とコーディネートのコツ
富田 富士也
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1子ども家庭教育フォーラム
pp.1160-1163
発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100245
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「わが家は特別な家庭なのか」から始まる社会資源とは
カウンセリングは個人の内面に迫る気づきの援助ですが,もう1つの相談活動として,来談者にとって必要な社会資源を仲介する役割もあります。とりわけ「引きこもり」は受け身な傾向がありますから,多様な社会空間との出会いの意味もあると思います。求める社会資源と本人の自己資源を掘り起こす援助者の働きについて,フリースペースを運営してきた経験も含め考えてみたいと思います。
別稿で述べましたが,「引きこもり」とは心の状態像であって,病名ではありません。もちろん心の病を伴う場合もありますが,どちらであっても身体の具合のように心の状態を目でみることはできません。歯が痛ければ歯医者に,風邪をひいたなら内科にと,明らかな“症状”があれば診断分類によって“治療”できますが,コミュニケーション不全としての「引きこもり」は“治療”ではなく“育てる”関わりが大切です。
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