特集1 「ひきこもり」ケースには,こう対応する! 保健師ができる支援について考える
―「ひきこもり」から脱出させるための支援技術➀―相談面接と親グループ
伊藤 順一郎
1
,
吉田 光爾
2
,
原 敏明
3
1国立精神・神経センター精神保健研究所
2新潟医療福祉大学
3横浜市北部児童相談所
pp.1152-1155
発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100243
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家族支援の重要性
ひきこもりの相談では,当初から本人が登場することはまれであり,本人を心配する父母などの家族が相談の窓口に訪れることとなります。図は,2002年における全国の保健所・精神保健福祉センターへの来所相談の経路を示したものですが,約7割が家族からの相談となっています1)。
しかし,これまでの地域精神保健での相談のモデルは,「本人の登場」が前提となっていることが多く,家族のみを対象とした相談は補助的な手段として考えられていることがしばしばです。ですから,本人の登場が前提となるモデルに依拠し「本人を連れてきてください」と口にすると,ひきこもりの事例のほとんどを断る結果になってしまいます。ひきこもり支援では問題解決の糸口として,家族からの相談を受け付け,家族への支援を継続することが大変重要になります。
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