特集1 「ひきこもり」ケースには,こう対応する! 保健師ができる支援について考える
―「ひきこもり」から脱出させるための支援技術➁―保健師の戦術「家庭訪問」をいかそう
森田 桂
1
,
宮本 ふみ
2
1東京都多摩立川保健所
2前東京都西多摩保健所
pp.1156-1159
発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100244
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都道府県の精神保健センターや保健所が,まだ積極的に「ひきこもり」に対応をしていなかった頃,ある民間機関が全国の親からの「ひきこもり」相談に果敢に取り組んでいた。その機関の「ひきこもり」支援事例を学ばせていただく機会があり,➀親からの短期間の相談で男性職員2人が自宅まで本人に会いに行き,➁数年以上にわたって部屋に閉じこもっていた20歳過ぎで爪も髪も伸び放題の青年に大人の男として真剣に向き合い,➂その日のうちに機関付設の生活塾に連れて行くことができた,との経過を伺いながら「保健師なら別の訪問戦術になるだろうが,『ひきこもり』相談への保健師ならではの訪問支援技術とは何か」について考えさせられた。
あれから6年,厚生労働省からガイドラインが提示され市町村保健センターも保健所も「ひきこもり」の相談を受け止めるようになった現在,保健師はひきこもり相談支援のなかで家庭訪問をどのようにいかしているのか,本稿ではその現状と課題について記す。
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