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講座
教育学シリーズⅣ 教育方法(2)
Method of Teaching (Part Ⅱ)
沼野 一男
1
Ichio NUMANO
1
1玉川大学文学部
1Tamagawa University.
pp.347-350
発行日 1978年5月15日
Published Date 1978/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101684
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教師が「教える」ということは,学生の側に特定の学習が成立することを意図して,学生の環境を操作することである.この操作の仕方によって教授や学習は効果的に行なわれることもあるし,効果のあがらない場合もある.そこで「効果的に教え,学ぶための条件は何か」ということが問題になるのだが,この問いに具体的な形で答えるためには,そこで目ざされている教授目標や教師,学生,利用できる教材・教具など,教授と学習の効果に影響する要因について,具体的な情報がなければならない.一般に教師が学生を教える場合には,こうした多くの具体的な情報を持っているのであり,仮りにこうした情報を欠いているとすれば,効果的に教えることは到底望めないことになる.
しかし,こうした具体的な情報がいくら豊富にあったとしても,それだけで効果的に教えることができるというわけではない.教師が効果的に教える,言葉を換えていえば学生に効果的に学ばせるためには,教師の側で守らなければならないいくつかの教授上の原則があるのであり,教師の持っている具体的な情報は,こうした一般的原則を実際の教授場面に適用するうえで利用されるのである.本稿では現在広く認められている教授上の原則を取り上げるが,その具体的な適用は個々の教授場面に応じて,また教師の持っている情報の量や質によってさまざまな形をとることに注意していただきたい.
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