特集 医療の質を高めるPOS—第11回POS研究会記録
パネルディスカッション—POSと看護診断
看護問題に焦点をあてて—司会のことば
松木 光子
1
1大阪大学医療技術短期大学部
pp.717
発行日 1989年11月30日
Published Date 1989/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908719
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Dr. ウィードは,包括的医療を効果的に導く手段として,①全ての人々が医療提供の場において使用できるコミュニケーションシステムの開発が必要であると考えた.そこで,従来の各々の専門家の医療記録を患者記録として統合し,記録がコミュニケーションと教育の場となることをめざした.さらに,従来の雑然とした記録を問題解決の科学的過程にそって記録し,②問題の所在と経過がはっきり分かるシステムの標準を設定した.これがPOS(問題志向型医療記録システム)である.
これから討議していくテーマは,この医療チームの医療記録システムとしてのPOSと,現在看護の専門的機能として注目を集めている看護診断に焦点をおいている.看護診断は看護過程の重要ステップであるが,その看護過程もまた問題を解決しようと作業する過程であり,PO過程と看護過程は矛盾するものではない.また,看護過程のめざす看護も患者中心の総合看護であり,POSのめざす包括医療の一環といえるものである.したがって,POSのめざす医療も看護のめざしているものも,同様の志向にあるということができよう.
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