特集 脳の電気活動と行動
司会のことば—prolegomena
時実 利彦
1
1東京大学医学部脳研究所
pp.138
発行日 1966年2月1日
Published Date 1966/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201989
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人間や高等な動物のあらゆる行動は,究極的には,脳と脊髄を中枢にした神経系の働きに還元することができる。したがつて,いろいろな型の行動の発現機序とその生物学的意義は,行動の単なる観察記載だけでなく,それを発現する脳の機能の解明によつて明らかにされるのである。
脳の機能は,いろいろな方向からアプローチできるが,なんといつても脳細胞の活動に随伴する電気現象を指標にした生理学的研究法は近年その真価を大いに発揮した。CatonやBergerらによつて発見された脳波や,Ecclesらによつて開発された脳細胞のいろいろな種類の活動電位は,現在もその威力を発揮しており,将来もそうであろう。
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