シンポジウム 小児パラプレジアの尿路管理
司会のことば,他
小柳 知彦
1
,
福井 準之助
2
,
高木 隆治
3
,
石堂 哲郎
4
,
信野 祐一郎
1
,
近藤 厚生
5
,
小林 峰生
5
,
瀧田 徹
5
,
金井 茂
5
,
加藤 久美子
5
,
小谷 俊一
5
,
斉藤 政彦
5
Tomohiko Koyanagi
1
,
Junnosuke Fukui
2
,
Ryuji Takaki
3
,
Tetsuo Ishidoh
4
,
Yuichiro Shinno
1
,
Atsuo Kondo
5
1北海道大学医学部泌尿器科学教室
2信州大学医学部泌尿器科学教室
3新潟大学医学部泌尿器科学教室
4神奈川県総合リハビリテーションセンター泌尿器科
5名古屋大学医学部泌尿器科学教室
pp.199-215
発行日 1986年3月20日
Published Date 1986/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204234
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
本論文は1985年10月31日厚木市で神奈川リハビリテーション病院宮崎一興博士を会長として開催された第20回日本パラプレジア医学会のシンポジウム「小児パラプレジアの尿路管理」の要旨です。
神経因性膀胱の尿路管理の重要性は膀胱機能障害に続発する腎尿路異常が直接予後と結びつく因子であるだけに今さら強調するまでもない程です。殊に対象が長い生涯にわたる幼小児の場合にはさらに強調されて然るべきとさえ思われます。小児神経因性膀胱を来す疾患群は大別して先天性のものと主として外傷性脊髄損傷による後天性のものとがあります。先天性のうちmeningomyelo-celeは生下時既に発見され診断も容易で最も代表的なものとしてこれまで多々討論されてきたものですが,non-meningomyelocele例は髄膜ヘルニアのような顕著な外的所見がなく容易に見逃されやすく診断も遅れがちで,また合併する腎尿路異常はその尿路管理上特殊な問題を与えます。これらの点および小児脊損の問題点についてはこれまであまり注目されていなかつただけに本シンポジウムではこれらを含めて尿路管理上の諸問題を討論していただきました。討論を通じて得られた知見が小児神経因性膀胱の診断と治療にいくらかでも役立てば司会者としても幸甚です。なお,枚数の関係で各演者のすべての論旨を掲載することができなかつたことを深くお詫びします。
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.