特集 脳動脈瘤および脳動静脈瘤(第24回日本脳神経外科学会シンポジウム)
司会のことば
佐野 圭司
1
1東大脳神経外科
pp.473
発行日 1966年5月1日
Published Date 1966/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202039
- 有料閲覧
- 文献概要
わが国における脳血管障害による死亡例はこの数年間,年間15〜16万をかぞえ,常に厚生省の死因統計の第1位をしめている。この数は2位の悪性腫瘍による死亡数約10万のほぼ1.5倍にあたり,脳血管障害がいかに重大な国家的問題であるかを如実に示している。
ところでこの脳血管障害のかなりの部分をしめているのがクモ膜下出血である。そしてクモ膜下出血の約8割には脳動脈瘤か,あるいは脳動静脈瘤が発見されるのである。しかもこれら両者に対する治療の大部分は脳神経外科的のものであるから,脳血管障害において脳神経外科の占めている大きな役割があらためて認識されなければならないと思う。
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.