特集 医療の質を高めるPOS—第11回POS研究会記録
パネルディスカッション—POSと看護診断
POSのPへのこだわり
井部 俊子
1
1日本赤十字看護大学
pp.718-721
発行日 1989年11月30日
Published Date 1989/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908720
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POS(Problem Oriented System)はプロブレムに志向する,もしくは方向づけられるものですから,プロブレムが何であるかということが,システム全体の機能に重要な影響を及ぼすことはいうまでもありません.そしてこのプロブレムのPは,Patient(患者)のPであります.つまり,プロブレムは患者に関する問題として記述されるべきであり,医師や看護婦が困るから問題となるのではありません.これらのことはごく当たり前のことですが,よく見落とされることです.
経過記録用紙をSOAP形式で書いています,といっても,プロブレムの記入が全くなかったり,あるいは“患者の問題”として,「面会時間が守れない」などといった記述もあります.また申し送りを,Problem-Orientedに行なっているところは,どのくらいあるでしょうか.このように考えてくると,POSはシステムとしてのとらえ方が,不十分であることが分かります.
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