看護教育研究
訪問看護師養成講習会におけるロールプレイングの評価―訪問看護師・高齢患者・介護者体験からの学び
流石 ゆりこ
1
,
河阪 勝子
2
1山梨県立看護大学
2(社)山梨県看護協会ナースセンター
pp.996-1001
発行日 2003年11月30日
Published Date 2003/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903549
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はじめに
ロールプレイングは,わが国の学校教育で1958年,「道徳」の指導方法として“劇化”という名称ではじめて導入され,その後は“役割演技”として小中学校などで活用されてきた.近年看護教育でも頻繁に用いられている.
筆者らは,平成5年度よりY県看護協会の『訪問看護師養成講習会』において「利用者および家族を総合的に理解する面接技術」の単元(6時間)を10年間にわたり担当し,講義(3時間)とロールプレイング演習(3時間)を行ってきた.当研修会の受講者動向をみると,特にここ2~3年,病院や訪問看護ステーションに勤務する現職看護師の受講が増加傾向にある.在宅における看護の特徴は,常に本人および家族を援助対象とし,かつ対象のホームグラウンドでの看護展開にある.受講者の大半が臨床経験豊富な看護師であり,中には少数ながらもロールプレイング経験者もいる.しかし,実施後の受講者の反応から,訪問看護師役・患者役・介護者役の3役割を「体験してみる」ことからの新たな学びの大きさを感じ続けてきた.学生を対象としたロールプレイングの学習効果についての報告1~2)はあるが,訪問看護師を対象としたものは見当たらない.
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