連載 看護学教育を考える・8
私の臨床指導—基礎実習における臨床指導の経験から
合田 冨美子
1
1岡山県立短期大学
pp.112-113
発行日 1983年2月25日
Published Date 1983/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907789
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臨床経験と臨床指導
私は,数年前から‘総合実習’と称する,いわゆる基礎実習を担当することになり,正味5日間ではあるが,病棟に出向いて学生と行動を共にしている.この実習というのは,学生は2年次で,時期としては6月あるいは7月ごろに行っている.そしてこの実習が,私にとって唯一の臨床指導の機会なのである.ちなみに私の臨床看護の経験は,学校卒業後の1年間を外来小児科に勤務したことがあるのみで,ほとんど経験らしい経験をもたない,自称‘手足の動かない指導教員’なのである.
さて,この手足の動かない指導教員が,最初に病院へ足を踏み入れる学生をどのように指導すればいいのか,はたと困惑し,考え込まざるを得なかったのである.実際に病棟に身をおき,学生の動き,看護婦の仕事ぶり,患者の様子を見聞きし,かかわりながら,まず考えたことは,臨床実習の意味するものであった.
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