教育技法研究 救急看護の展開・2
応用事例による一次救命処置の演習
田中 由紀子
1
,
高原 美樹子
1
1福井県立短期大学
pp.108-111
発行日 1983年2月25日
Published Date 1983/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907788
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前回は,一次救命処置を学ぶ意味に始まり,適切な観察・判断に基づいた,安全で効果的な技術を身につけることを目標にした授業展開を述べた.次に,この方法で十分身につけたと思われる技術が,実際の場面ですぐに役立つかどうかが問題になる.なぜなら,実際の場面では一種独特の雰囲気に包まれ,冷静さを保ちにくいことが予測されるからである.
正しい観察・判断ができるためには,冷静・沈着な態度を必要とする.しかし,患者の凄惨な状況や周囲の人たちが動揺するなかでは,たいへん難しいことである.また自分に自信がなければ,なかなか行動に踏みきれないこともあろう.これらのことから,できるだけ現実に近い状況(救急場面)を体験させ,その状況の中で,学習したことがどこまで発揮できるか,またどうしたら発揮できるか,自分たちの力量を見極めさせたいと考え,応用事例を授業に取り入れた.
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