教育実践レポート
臨床実習場面での学生とのかかわり—成人看護学脳神経外科領域における指導例
瀬山 和世
1,3
,
東 理恵
2
1奈良県立医科大学付属病院病棟
2奈良県立医科大学付属病院脳神経外科病棟
3元:奈良県立医科大学付属病院付属看護専門学校
pp.568-574
発行日 1982年9月25日
Published Date 1982/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907718
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はじめに
臨床実習は,講義で学んだ知識や技術に魂を吹き込み,1人の生きた看護者を育成する教育である.いわば,それは看護教育に血を通わせるものだと考えられる.この学習過程では,看護の専門的知識・行為と態度を学生自身が学びとることがねらいである.ウィーデンバックは,臨床教育とは‘そのときどきに直面している臨床場面の現実のなかで,学生が確実に効果的に,そして有能にその役割を果たせるように,学生の潜在的な能力を開発するべく援助する技術’1)であると述べているが,我々も臨床での学生指導を,この点を重視して展開しようと考えた.
今回,3年課程3年生の学生の成人系脳神経外科領域の実習指導を担当し,その教授過程をまとめてみた.学生たちは入学以来,教室において学習し,主に頭で理解してきた概念を,この約1年間で,自分の言葉や体で表現しながら自らの看護活動を行うことになる.私どもは看護教育の中で,看護の枠組み,看護の概念構成,看護の本来の姿勢について,実践を媒介として心身全体で専門看護者となるように教育する過程が,臨床での実習教育のねらいであると考えている.
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