研究・調査
分娩介助の振り返り場面における指導助産師のかかわり
礒山 あけみ
1
,
森本 薫
2
,
海老根 純子
2
,
林 圭子
2
,
近藤 まゆみ
3
1茨城キリスト教大学看護学部
2茨城県立中央看護専門学校
3元 茨城県立中央看護専門学校
pp.424-430
発行日 2012年5月25日
Published Date 2012/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665102183
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
緒言
分娩介助の振り返りは,助産師教育において学生と指導助産師の間で行なわれてきた。近年,正統的周辺参加1,2)やリフレクション3)など,看護教育の中で臨地実習における学習過程や学習方法について認知されてきた。助産師教育の中で行なわれている分娩介助実習の体験が正統的周辺参加であり,分娩介助の振り返りがリフレクションであるといえる。
菱沼は分娩介助の「振り返り」という学びの意味を,臨床指導者の視座から明らかにしており,指導者は「振り返り」を【段階的成長に欠かせない道標】とみなしていたことを明らかにしている4)。また,分娩介助を習得する過程において指導助産師が学生に期待する学びとして,【臨床の場に即した現実的な学びのあり方】の実践を通して【分娩介助例数に応じた成長】と【臨床家としての態度や感性の形成】を遂げていくことを期待しており,学びの基盤には【「振り返り」を生かした経験の積み重ね】があること,【助産師になることが最終目標】へと方向づけられていることを期待していたと明らかにしている5)。
しかしながら,分娩介助の振り返りの中で指導助産師によってどのような学習支援がなされているかは明らかにされていない。本研究の目的は,分娩介助の振り返り場面における指導助産師のかかわりを明らかにすることである。本結果が明らかになれば,分娩介助の振り返りは助産実践能力向上のための効果的な教育方法としての意義を示すものとなる。
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.