教授フローチャートによる授業設計

　よい授業を行うためには優れた学習指導案が必要であり，この作業に，すべての教える者が苦労してきたといっても過言ではない．これは学習指導案の作製が個人の領域から出ず，共有したり共同作製を行うことがしにくかったためである．教授フローチャートは，これまで‘個人的なもの’としてみられてきた学習指導案を客観化し，これを検討してさらによいものにし，共同利用をすることまでを可能にさせた．本号では，‘他人が利用できる指導案を作製しよう．他人の指導案を積極的に利用しよう’と教授フローチャートを広めるための活動をしておられる沼野一男氏に教授フローチャートによる授業設計の方法と意味を，また沼野氏の指導の下に看護教育の場で，教授フローチャートによる授業計画案を作製された吉田喜久代氏に看護技術の単元‘呼吸・循環・体温’の教授フローチャートによる授業案を述べていただいた．