教育技術ゼミ
教授の形態—グループ学習
沼野 一男
1
1東邦大学
pp.40-41
発行日 1967年6月1日
Published Date 1967/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908858
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難しい理想的個別教授
教授の形態を集団という側面から分ける場合,学級教授(一斉授業)と個別教授のほかに,その中間に位するものとして分団教授(グループ学習)という形態が考えられる。グループ学習というのは,学級をいくつかのグループに分けて,学習指導をする方法である。
一斉教授は生徒の個人差に適応できないために教授の効率が低く,また教師が教授—学習場面の主導権を取ることになるから,生徒の学習が受動的になりやすいという欠点があった。一方,個別教授では,一斉教授のこうした欠点はなくなるけれども,個別教授を理想的な形で行なおうとすれば,施設や設備を十分充実させなければならないし,何よりもまず教師の数を大幅に増すことが必要になる。しかしこれはどちらも多くの費用を要することであり,現実にはなかなか行うことができないことである。したがって理想的な個別教授ということは簡単には実現されないといってよい。
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